Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2023年No2
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g図10 図5と同症例の追加アライナー作製時のCBCTによるボーンハウジングの確認。a-c:初診時の口腔内写真(a)、上下顎左側側切歯(b)、上下顎左側中切歯(c)のCBCT画像(FOV φ23×H17cm、FH平面基準、ボクセルサイズ 0.3mm)。d-f:上下顎両側小臼歯抜歯によるアライナー矯正治療開始後15か月経過時の口腔内写真(d)、上下顎左側側切歯(e)、上下顎左側中切歯(f)のCBCT画像(FOV φ16×6cm、咬合平面基準、ボクセルサイズ 0.3mm、超低線量撮影)。g-i:初診時のボリュームレンダリング画像(g)、15か月経過時のボリュームレンダリング画像(h)、初診時および治療開始後15か月時の上顎左側中切歯のCBCT画像の重ね合わせ(i)。超低線量撮影でもボーンハウジングの状態が確認できる。上顎左側中切歯、側切歯の後退による舌側皮質骨の吸収、および上顎左側側切歯のボーンハウジング逸脱リスクが確認できる。adbecfhi点で限界があると考えられる。三次元のCBCTデータは、基準平面を設定した3Dセファロ分析やCBCTデータの厳密な重ね合わせによって、顎骨の形態的変化や歯の移動状況をさまざまな角度から視覚的に確認できるため、詳細な分析や客観的な評価を行うことができる。治療前後のCBCTデータから正確な情報を得るためには、矢状・水平・冠状各断面が完全に一致する三次元の重ね合わせを行い、その断面上で分析・評価する必要がある。比較するCBCTデータは同一の撮影条件で取得することが望ましいが、図10g〜iのように撮影条件が異なるデータでも、厳密な重ね合わせにより歯の正確な動きを知ることができる。Invisalignでは、ClinCheckの3Dモデルや歯牙移動68Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2023 vol.3 issue 2日本版オリジナルページが、歯根の状態を十分に把握できない場合や、ボーンハウジングの問題が想定される場合には、小照射野で低線量のCBCT撮影を行い、治療評価、治療計画の修正に活用している(図10)。 治療終了後の評価は、従来からセファログラムが主に使用されている。規格撮影ではあるものの、左右の構造物が重なった二次元の比較的不明瞭な画像であり、撮影時のわずかな位置づけの違いによる誤差やトレース時の誤差も生じやすいため、個々の歯の移動量やボーンハウジングの評価には正確性や客観性という治療終了後の評価

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